美紅と翔の後を追って教室に入る。

出席番号順に席が割り当てられてるみたいで、あたしはグラウンド側の後ろの席。

なかなかの良い席だ。

隣の席は誰だろう?

そう思いとなりの席を見るが、空席だった。

……まだきてないのかな?

んー、マイペースな方なのかな?

「朱里ー!いーなーこの席!!」

「美紅は?……安定の1番前か」

「うん…ほんと安定だわ」

「早く席替えあるといいね」

そんな風に他愛もない話をしてたら、気づいたら教室にはあたしと美紅だけになってた。

「そろそろ体育館いくべき?」

「うん、いこっか」

早足で体育館へと向かった。



体育館は私たち新入生、保護者、在校生で賑わっていた。

……席は自由なのか。

あたしたちは寝てもばれない真ん中辺りに座った。

入学式はあたしは爆睡してた。

美紅は起きてたみたいだけど。

だからあたしは知らなかった。

後にこの学園中の女子を虜にすることになる人が現れたことなど。