「……へぇ?そんなことがあったの」

と、ニヤニヤした顔で言ってくる。

「いや、でも事故だからね⁉︎向こうだって今頃どうしようとかなってる……いや、むしろなかったことになってるからね?」

「ま、恋の相談には乗りますよ、朱里さん」

と、ニッコニコの笑顔で言われるが、そんなことあたしがなるわけがない。

誰があんな人と恋に落ちるか!!

「あ、てかそんなことどうでもよくて、美紅。聞きたいことあるんだけど」

「ん、なに?」

「昨日、なんかあたしに関する噂が流れてるとか流れてないとか言われたんだけどそうなの?」

「え、朱里知らなかったの?」

「へ、あ、うん」

だから聞いてるんですけど。

「朱里、入試成績2位だったでしょ?んで、こーんなにかわいいでしょ?しかも美人でしょ?で、運動もできるでしょ?
そっから才色兼備の姫様って呼ばれてるのよ?だから王子と姫様が付き合ってもだーれも文句言わないか安心しなさい」

と、にこやかな笑顔でいわれたのだけど。
…………いろいろつっこみたいんですけど。

「つっこみたい、って顔してるけどこれ全部事実だからね」

「いや、だってかわいくないし、美人でもないし、運動もできるほうじゃないし、だいたいそれに当てはまるのは美紅でしょ⁉︎みんなあたしと美紅一緒にいるから頭こんがらがってんじゃないの?ていうかあたしが王子と付き合うとかぜっっっったいないからね!」