「え、いいよ!悠斗に悪い!」

「暗くなりかけてんのに女子1人で帰らさせるわけねぇだろ」

「大丈夫だって!1人で帰れるよ!子供じゃないんだから」

なんか悠斗お父さんみたい。

「もし襲われたらどうすんだよ」

「あはははは!それ面白い!美紅みたいに可愛かったらわかるけど、あたしみたいなの誰も襲わないよ」

もし襲われたらそれは犯人が相当なもの好きだね。

「ったく。いいから黙って送られとけ」

そう言って半ば強引にあたしは悠斗に送られることになった。

ほんと大丈夫なのになー。

「てか、悠斗家どっちなの?」

家路に帰る途中気になって聞いてみた。

もしこれで反対方向だったらどうしよう。

もっと早く気づけばよかった。

「お前と同じ方向だから安心しろ」

「そっか……」

よかった。

罪悪感でいっぱいになるところだったよ。

そこから特にお互い話すこともなく無言で歩いてたら気づいたら家の前だった。

「あ、ここ。ありがとね!」

そう言って家に入ろうとしたら、悠斗に腕を引っ張られた。

え?え?え?

あたしはパニック状態。

なんで、抱きしめられてるの?

「なぁ、彼氏とかいる?」

頭上から聞こえる悠斗の声に胸が高まる。

「い…いないよ」

なんで、あたし、こんなドキドキしてんの?

「そっか。悪りぃな、引き止めて。また明日」

そう言っておでこに暖かい感触が走った。


………………。




…………あたし、今。




…………何された??