この間袋から出したばかりの真新しい制服に腕を通す。

のりが残ってて若干着にくい。

けど。


「やっぱかわいいーー!!」

昔から憧れの一宮高校の制服を着て朝からテンションが上がる。

高い倍率を勝ち抜いたあたし、桜咲 朱里は今日からこの高校の1年生になります!

「朱里ー?美紅ちゃんきたわよ?」

下からママの呼ぶ声が聞こえる。

……聞こえる?

げ!やば!
もうこんな時間!!

入学初日から遅刻とか絶対やだー!

髪の毛セットしようかと思ってたのにーー!

時間ないーー!

それからドタバタで用意して、急いで家を出た。

「おは…」

「きゃーーー!朱里かわいいーー!!」

あたしの挨拶は幼馴染の安藤 美紅 Miku Andouの声によってかき消された。

「美紅の方が何千倍いや、何万倍も可愛いから。そろそろ自覚してよ」

「はぁ。そのセリフそっくりそのままあんたに返すわ」

「いやいやいや。何言ってんだか」

「はぁ。ほら、学校行くよ」

なんか超呆れた顔であたし見てくる。

いや、そんな顔されてもあたしは事実を言ったまでなんですがねー。

ほんと、そろそろ自覚をしてほしいよ。

それから他愛もない話をしながら高校へと向かった。