あれから5分経っただろうか。
私も本に夢中になってしまった。
しょうがない。
図書館は本を読むところだ。
本を読んで何が悪い。
開き直って読んでいると、肩を叩かれた。
「あっ、咲紀。」
「もう、あんたまで読んじゃったら意味ないじゃない‼︎」
ホラー小説を右手に抱えながら、栞を挟んでいる。
たぶん、続きが気になるから借りたのだろう。
「私も借りてこようかな。」
「そうしなよ」と彼女が言うのでカウンターへと私は向かった。
その途中、窓から日差しが差し込んでいるいい場所を見つけた。2つ椅子があった。
晴れの時また来ようと思った。
あそこで本を読むのは気持ちが良さそうだ。
そして私は今日、山本くんに謝る事ができなかった。