15分は経っただろうか…。
山本くんは一向に見つからない。
もしかしたら、図書館にはいないのかな?
咲紀にどうするか話すため探したところ、彼女は本を読んでいた。
下から表紙を覗いてみる。
血まみれで白い服を着た女性が、目を真っ赤に見開いていた。
「ーーひっ⁉︎」
突然のコトに驚いた。
そうだ。
知ってたじゃんか。
ココはホラー小説が多いんだって。
「あっ、祐希。ごめん、ごめん!つい夢中になっちゃって‼︎」
「うん、私こそごめんね。もう少し見てていいよ、私あっち探してくる!」
「わかった!キリのいいところで私も止めて行くから。」
「コレ面白いから今度貸すね!」と彼女はそう言ったけれど、実のところホラー小説は苦手なんだ。
…忘れてしまう事を願う。
まぁ、私が面倒をかけてしまったんだし。
しょうがない。
さぁ、次はどこ探そう…。
そう思いながら、ゆっくり本棚を見ながら歩いて行った。