「こんなとこに空き教室あったかな？」

んー。一向に見つからないし、教室もどこにあるかわからないし...

【ガタッ】

「...！？」

物音一つしない空き教室から、イスが倒れたような音がした。

「だ、誰かがいるの...？それとも...」

考えるのをやめ、おそるおそる音がした方向へと足を向けた。

「...................」

当然、教室は真っ暗で誰かがいるような気配はない。

やっぱ気のせいか。

「...........誰？」

ほっと胸をなでおろしていると、暗闇の奥から聴こえた声に一瞬恐怖を覚える。

「電気つけつくんない？」


「へ？は、はい！」

電気をつけると机につっぷして寝てた男の人がゆっくりと頭をあげる。
その顔は見覚えのある顔で...
さっきから探してた本人で...
向こうも気づいたようで「あ」と言って固まっている。