【キーンーコーンカーンコーン】

「あ、チャイムが...そろそろもどらないと」

「えーいいよ。もっと話してよーぜ?」

「で、でもっ...」

「俺は」と言いながらグイッと私の目の前に顔を近づけた。

ち、近い....///

「俺は、もっと春と話したい」

怜君は、ふわりと笑顔を浮かべたままだ。

「でも...」

「ていうかさ。春は道に迷ってたら、ここについたんだろ?」

「...?う、うん」

「てことはさ、俺いないと教室戻れないよねー?」

さっきまでふわりと大人みたいな笑顔は悪戯が成功した子供みたいな笑顔に変わった。

そ、そうだった!!
私、道に迷ってここまで来たのにどうやって帰るのー...

「だからさ、俺と話そうよ!ね?ちゃんと帰りには教室に送り届けるから」

しぶしぶ私は、顔を上下に振った。