「あ、あった。」
たんっと、軽くエスカレーターを降りると。
私が愛してやまないお店があった。
「よかった~。」
なくなってるかもって思ってたけど、ちょっと安心。
私はほっとしながら、靴屋さんに入っていった。
「いらっしゃいませー!」
店員さんのあいさつに、軽く会釈。
私はそのまま、ずんずん前進!!
「こ、これだ~!」
すると、ずっと欲しがっていたレモン色のスニーカーがあった。
私の求めるバイカットで、星のラインが入ってる。
ヤバい、かわいい!!
「えっと、値段は・・・。」
ぶつぶつつぶやいてから、値札を探す。
なになに、3千円か~。
お財布をやや乱暴に取り出し、にらめっこ。
しゃーない、樋口さんを召喚しよう。
「お願いしますー。」
サイズを確認してから、レジにスニーカーを置く。
「お会計3600円になります。」
「はーい。」
五千円札をなくなく出しながら、ほっとためいきをつく。
実は、私がレモン色にこだわるには、ある理由がある。
それは・・・。
コカゲと私に、関係のある色だから。
「ありがとうございましたー。」
店員さんのお礼を小耳にはさんだ後、私は当時を思い出した。



『おーい。ソラさ~ん?』
ガバッ!!
ききなれたマコトの声がして、目を覚ます。
身体を起こしてから、ここが見慣れた保健室だと気が付いた。
って、私どーしたんだっけ。
『もー、また倒れたからほんとビビったよー。』
『あ、そーだったんだー。』
『ちゃんと水分とれって言ったじゃんかー。』