「え~?」
首をかしげるコカゲ。
でもすぐに、ぱあっといつもの笑顔をうかべる。
「あ、どっかに連れてってあげれば?!それで俺も、今週の日曜日、一緒にでかけるんだけどさー。」
「え、待って。2人だけで?」
ちょっと待って。
これ、まずい展開かも。
そう気づいた私は、コカゲに目でアピール。
だけど、当の本人はきょとん顔。
まるで気づいてないようだった。
「うん。そーだよ。なんで?」
・・・あっちゃー。
そんなこと言ったら、ヒヨリが騒ぐに決まってるよー!!
もう、コカゲのバカーー!
「ええええ?!もうそれ、デートじゃん!」
ああ、食いついちゃった。
高めの位置で結んであるポニーテルが、興奮でゆらゆらしてる。
「え、あ、そ、そーゆーのじゃないから。」
やっと気づいたコカゲが、必死で弁解するけど。
ヒヨリの耳にはもう入ってこないみたい。
結局私たちは、一日中騒がれ続けたのだった。



「はあー。疲れた・・・。」
放課後。
やっと解放された私は、一人である所へむかっていた。
あー、レモン色のがあればいいな。
黄色じゃなくて、もう少し薄いレモン色。
そんな色の靴を求めて、私はとあるショッピングモールに入っていった。
「久しぶりだなぁ~・・・。」
思わず声に出るほど、最近立ち寄ってなかった。
少しレトロな内装を眺めながら、お目当ての店を探す。
ええと、確か三階のはず。
エスカレーターを利用して、三階を目指す。