「え...そうだったんですか...」


木に引っ掛かってるのに、取ってくれたんだね...


そんなにボロボロになってまで。


虎道寺くんは優しい人だ。




「それより早く、カツラを被ってくれ。」


「あ、はい。」


私は受け取ったカツラを頭に被った。


これで安心。


どうやら虎道寺くんは、見た目が男の子だったら平気らしい。


今度は目を合わせてくれる。




「........名前は ? 何て言うんだ ? 」


「栗山 未来です。」


「そうか。俺は虎道寺 昌宏〈トラドウジ マサヒロ〉。」