「いただきます」

家族4人でテーブルの上の寿司を囲み、お姉ちゃんの合格お祝い。

「やった!サーモンいっぱいある!」

サーモンは、お姉ちゃんと私の大好物。
小さい頃は二人でよく取り合いをした思い出がある。

「合格おめでとう。サーモン多めに入れてもらったから、たくさん食べてね」

「はーい♥」

お姉ちゃんと声を合わせ返事をした。

「花桜中央高校か。あそこは春になると桜並木が綺麗で有名だよなぁ・・」

ふとお父さんが呟いた。

「そうよねぇ。去年だったかしら、あまりにも見事な桜道だからって
取材きてたわよねぇ・・
確か、三軒先の奥さんインタビュされてたわよ。
買い物の帰り通ったらロケしてたみたいで。
今年も来るのかしら?今度はお母さんインタビューされたらどうしましょう??」

「今年はこないだろう。桜もたまに見るならいいけど、
毎日みてたら飽きるだろうよ」

「お父さん夢壊すこと言わないでよ!
あんなに綺麗な桜なんだよ。飽きるわけないでしょ!」

いつもこんなやり取りが行われている。

すぐ現実をみる父。

まだ少女の心を持つ母。

そして、お姉ちゃんがその会話に入っていく。


私は三人の会話を聞いているだけで、ほとんど会話には入ることがなかった。

それでも楽しかった。






そして1年の月日が流れた。。。。