内心苦笑いしながら視線を前に戻すと、目の前に一人の男子生徒が立っていた。


ひどく怯えた様子で、そいつは腰に手を当てて見下ろしている。



「オオオオイ!!くっ、栗原修也!!」


「…あ?何だお前」


「つっ、次の"標的"はお前だ!!」


「はぁ?」


「き、今日の昼、屋上に来い!!そそそこで相手してやるっ!!」



……何だコイツ。


すっげービビってるけど…俺に喧嘩売ってるんだよな?一応。


なら、買ってやろうじゃねぇか。


ガタンッと音を立てて立ち上がり、俺より小柄なそいつの胸ぐらを掴む。



「……何?お前が相手してくれんのか?
悪ぃけど、お前喧嘩に向いてねぇぞ」


「はっ!?ち、ちげぇよ!!俺じゃねぇ!!」



ぶんぶんと首を振って否定するそいつ。



「俺じゃなくて、あの人が相手するんだよ!!」