「その伝言って、何だよ」


「お!!聞きたい?聞きたい??それじゃあな、俺にジャンケンで勝ったら……」


「さっさと教えろカス」



思わずそう言うと、拳を握り締めてジャンケンのポーズをとっている銀髪がフリーズした。


そしてまた唇を尖らせて膝の上に頬杖をつく。



「お前さぁ、マジで言葉遣い直せよな…」


「余計な世話っつったろ」


「あーあー、荒れてるねぇ、歩ぼっちゃんは」


「伝言の内容を早く教えろっての」


「へいへい、分かりましたよーっと」



これ以上引っ張っても無駄だと思ったのか、銀髪は素直に話し始めた。



「いいか?これから言うのは、歩宛ての伝言。『たったそれだけの力で幹部になろうとしてんじゃねぇよこのガキが』」


「……死にてぇ?」


「お、おい待てって!!言ったのは俺じゃなくて蓮央だから!!俺悪くないから!!」



銀髪の胸ぐらを掴んで殴ろうとしたが、すんでのところで怒りを抑えた。


……一つしか歳変わんねぇのにガキ扱いすんじゃねぇよ。


心の中で毒づきながらも、銀髪の言葉の続きを待つ。