その様子を見て、榊の目がつり上がりはじめる。


笑い転がる男達を睨んで、俺の前に立った。



「お前ら…調子のんなっ……!」



言いかけた榊を、足を無理矢理動かして蹴り飛ばす。


前によろけたそいつは驚いたように俺を振り返った。



「すっ込んでろ、榊!!俺1人で充分なんだよ!!」


「歩…?」


「俺の前に立つな!俺は……お前の助けを借りるほど弱くねぇ!!」



目を見開いてフリーズしている榊に怒鳴りつけた、そのとき。




「……疲労で動けない奴が何言ってんだよ」




笑いを含んだ低い声が聞こえ、男達がバッと後ろを振り返った。


そしてその表情は、驚きに満ちたものへと変わる。



「け、圭太さん!?」

「いつからそこに……!」



圭太……?


誰だそいつ。


聞いたことのない名前に首を傾げていると、男達がザッと道を開けたところから1人の男が現れた。