──ビリッ!!
「い゛っ……!!?」
突然足に走った、電気が流れるかのような痛み。
足が痺れているのを無理矢理動かしたときの痛みと似ているが……その痛さは比べ物にならないくらいだ。
耐えきれず、足を庇うようにして座り込んだ。
「歩…!」
「っ、来んな!!お前の助けは借りねぇ!」
駆け寄ってきた榊の手を振り払ったものの、どうしようかと考えを巡らせる。
多分この痺れは、過呼吸からきている症状だ。
足だけでなく腕も感覚が無くなっているし、何より酸欠で頭がぼんやりする。
くそ……
こんなところで止まってらんねぇってのに……!!
「ハハッ、何だお前、その程度かよ!!
イキがって髪染めてんじゃねぇよ!!」
「黒に戻した方がいいんじゃねーの?」
「いや、坊主だろ坊主!!」
「坊主とか!!ちょ、やめろし!!」
俺がこれ以上戦えないと察したのか、いきなり余裕そうになる男達。
1対1で戦わねぇ奴らが何言ってんだよ……
今すぐにでも殴りたいが、体が言うことをきかない。
言われ放題の状況が悔しくて、ギリッと奥歯を噛んだ。