はじめに目をつけたのは、金髪のチャラいヤツ。
シルバーのネックレスが目障りだ。
暴れまくる榊に目を取られて突っ立っている金髪の背後にまわり、髪の毛を掴んだ。
「っ…!!?」
「余所見してんなよ。敵は1人じゃねぇ」
そう呟いたあと、ガラ空きの腹に蹴りを一発。
呻くこともなく、そいつは静かに倒れた。
それに気付いた他の奴がこちらに走ってくる。
「てめぇっ……!!」
「雑魚は黙って寝てろ」
倒れた金髪を蹴り上げて、近付いてきた奴に向けて蹴り飛ばす。
思わぬ攻撃に反応できなかった男は周りの数人を巻き込んで倒れ込んだ。
「おーっ!さすが歩っ!」
「っせぇんだよ榊っ!てめぇには負けねぇ!!」
「えぇ!?何で僕!?」
榊より多く、確実に、仕留めないと。
コイツだけには負けられない。
……何故か、強くそう思う。