バタンという音がすると同時に、数百の男たちが一斉にこちらを向く。
軽くホラーだ。
「諒真さん……こいつらやってもいいんすか?」
「まだガキですよね?」
「すぐ死ぬんじゃないですか?」
好き勝手言ってやがる男達。
ヘラヘラ笑って余裕こきやがって。
イラつきながら睨んでいると、榊が銀髪を振り返った。
「…諒真さん、今のうちに救急車呼んできて」
「は?ま、真浩!?」
「多分、僕と歩でみーんな殺っちゃうからさ!ね、歩!!」
「あぁ?」
突然話を振られ、思わずそのまま榊を睨んでしまった。
…あー、やべ。
少し目を伏せ、男達に視線を戻しながら頷く。
「……こいつら全員殺れば、総長とやれんだろ?それなら、やることは一つだ」
「さすが歩!
……ってことで、覚悟はいいかな?」
榊がニコリと狂気の笑みを浮かべると、男達はハハハッと笑った。
「そりゃーこっちのセリフだぜ!茶髪、可愛いからって手加減してもらえるとか思ってたら大間違いだからな………ぐふっ!!?」
俺の目の前で話していた男が、いきなり後ろに吹っ飛んだ。
突然のことにびっくりして数歩後ずさると、さっきまで俺がいた所に榊がストンと着地した。
……何が起こった。
「…誰が可愛いだ?あぁ?お前マジでぶっ殺すぞ?」
榊とは思えない荒い口調で……既に泡を吹いて倒れている男を睨みつけている。
その様子に、俺も男達も唖然呆然。
しかし、ただ1人…銀髪だけは、「やっちまったか」と言いながらやれやれと首を振っていた。