「どっかーーんっ!!」


「ぅぐっっ!!??」



甲高い声とともに後ろから突き飛ばされ、背中を反らせて前に吹っ飛ぶ。


突然のことで受身が取れず、押されるままに床を転がった。


壁に激突して腰を強打。


電流が走るような、耐え難い痛みが走った。



「いってぇ……」


「う、嘘!!飛びすぎじゃない!?」



何が何だか分からないまま腰を押さえて呻いていると、頭上から明るい声が降ってきた。


ワケも分からず、その声がした方を見上げると。



柔らかそうな茶髪。

丸くてつぶらな黒い瞳。

小柄で華奢な体型。


まるで仔犬のような容姿の男子生徒が、俺を見下ろしていた。



「ごめんね!!まさかこんなに飛ぶとは思わなくてさっ!!」



手を合わせて謝ってくる仔犬。


腰を押さえながら立ち上がり、そいつを睨みつける。



「…テメェ誰だよ……」


「僕?僕は、同じクラスの榊 真浩だよ!」



サカキマヒロ…?

んな奴居たか?