「まぁまぁ!そこは受けに行ってからのお楽しみってことでいいじゃん!
……お願い歩!1回でいいから一緒に行こう?」



パンッと手を合わせて頼み込んでくる榊。


でも俺は、行く気なんてさらさらない。



「行きたきゃ勝手に行けよ。俺を巻き込むな」


「お願いー!!歩がいないと、勝てる気がしないんだよぉ〜!!」



その榊の言葉に、違和感を覚えた。



「……勝つ、だと?」


「うん。その試験で、【睡蓮】のメンバーと戦って勝って、さらに幹部の1人と戦って最低相討ちにならなきゃいけないんだ。
つまり、負けた瞬間終わり」


「幹部と……やれるってことか?」


「……?うん、そうだよ」



榊は、平然と言ったけれど。


俺の中で、何かが騒ぎ出した。


世界トップレベルの奴らと、戦える。


自分の力が試せる。


こんなチャンス……二度と無いんじゃないか?




「…榊」


「なぁに?」


「そのゲーム……俺も参加させてくれ」


「…えっ!!ホント!?」


「あぁ」



この際、新しいゲームとかどうでもいい。


何よりも楽しいゲームがあるじゃねぇか。



今の俺がどんなレベルなのか、知りたい。





ただ……それだけ。