──バァンッ!!



「あーゆむーーっ!!!」


「歩ちゃああぁーーんっ!!!」



勢い良くドアが開いたかと思うと、騒がしく誰かが駆け込んできた。



……何で、こういう時に限って悪い予感は当たるのだろうか。


俺はその2人を無視し、ヘッドホンをつけてゲームを再開するふりをした。


もちろん、電源なんて入っちゃいない。



「うわっ、無視しやがったぞコイツ!!」


「ねぇ歩ー!!」



無視無視。

反応すると余計うるさくなるだけだ。


無視を決め込んで黙っていると、背後から盛大なため息が聞こえた。



「はぁ…。せっかく、新作のゲーム持ってきてあげたのになぁ」



もうその手には乗らない。


ゲーム欲しさに心を許すほど、俺はガキじゃないっての。



・・・とは言ったものの。



「おっ、すげぇな真浩!!天才的だ!!」


「えへへ!これ新感覚ゲームで、五感を使うやつなんだよ!面白いよ〜」


「へー!すっっげぇ面白そうだな!!」



後ろで勝手にゲームを始めた2人のわざとらしい歓声を聞いていると、決意も揺らぐ。