--2時間前--
榊たちと別れたその次の日。
土曜ということもあり、俺は普通に家でゲームをやっていた。
既に3回クリアしたゲームの、4周目。
レベルも上がりすぎて正直つまらない。
「つまんね…」
頭の傷が治っておらず、喧嘩をしに行くこともできない。
家から出るのも面倒くさい。
……ニート一直線だな、俺。
そんなことを考えていたら、部屋のドアが開いた。
顔を出したのは……母親。
「歩、アンタにお客来てるわよ」
「客?」
珍しいな、俺に用がある奴なんて。
「なんか、犬みたいな子と、銀髪のホストみたいな男。知り合い?」
犬と、ホスト・・・?
……まさか、まさかな。
「歩はいますかーってうるさいのよ。上げていい?いいわよね?」
「……あぁ」
「じゃあ、呼んでくるわね」
そう言って、部屋を出る母親。
…俺の予想が外れてくれることを祈る。
きっと似てるだけで、違う奴等だ。