「話っつうのはよ。歩、お前をスカウトしたい」
「……はぁ?」
スカウト?
この銀髪、どっかの事務所の端くれか?
「あ、勘違いすんなよ?なにも、モデルとか俳優とかにスカウトしようってんじゃないんだ」
「じゃあ何だよ」
「暴走族だ」
一瞬、耳を疑った。
暴走族に、スカウト…?
「お前さ、【睡蓮】っつー族を知ってるか?」
「あぁ、世界No,2って言われるアレか」
「俺さ、そこの幹部やってんだわ」
はっ……そりゃあすげぇ。
No,2の幹部ねぇ。
あんなに強かったのも頷けるワケだ。
「真浩から、お前の話を聞いてな。転校早々学校の大半をシメたらしいじゃねぇか」
「……売られた喧嘩を買っただけだ」
「それでもすげぇよ、中坊で俺と相討ちだなんて。つーことで、お前をスカウトする。俺と幹部をやらねーか?」
「断る」
「即答かよっ!!そこは悩めよ!!」
いや、そんなこと言われても。
悩むも何も、なる気なんて微塵もないし。