完全に動けなくなった男たちを見回し、ため息をひとつ。
自信満々に喧嘩ふっかけてきた割には、全然ダメじゃねーか…。
これ以上ここにいてもアレだし、帰るか。
……と、歩き出したとき。
『3年2組、栗原修也。3年2組、栗原修也。
至急校長室まで来るように』
そんなアナウンスが響いた。
…くそ、どいつもこいつも修也修也うっせーな。
どこの誰だよ、俺の名前を捏造した奴は。
つーかまた呼び出しかよ……
誰かに通報されたな。
バックレるっていう手もあるけど、そうしたら後が面倒。
行くしかねぇってことか。
「あー…面倒くせ」
端に寄せられていた鞄を掴み、重い体を引きずって屋上を出た。