──バキッ!!!




そよそよと風が吹き抜ける、秋の放課後の屋上。


そこに転がる、数人の男子生徒たち。


それを見下ろしている俺。



「っ、くそ…!」



金髪のヤツがフラフラと立ち上がり、俺を睨みつける。


敵対心剥き出しの、充血した目。


……その目、気に食わねぇ。



「何だよ。…負け犬のクセしてまだやる気か?」


「テメェ……栗原修也あぁぁっ!!!」



挑発すると、殴りかかってきた金髪。


その拳を軽く横によけ、襟首を掴んで男を引き寄せる。



「……あのさ、言っとくけど」



ガシッと掴んだ男の髪。


動かないように頭を固定して、言った。



「俺の名前は修也じゃねぇ。
……栗原、歩だ」



言い終わると同時に、ゴンッ!!という鈍い音。


金髪野郎は…呆気なく、その場に崩れた。