そんなに悩んでたのか、コイツら。


まぁ毎日毎日このアホの相手してたら疲れるわな...。



「心中はお察しします、お2人とも」


「真浩!お前までひでぇぞー!!」


「仕方ないじゃん。ホントのことだもん」


「…なんかお前って俺だけに毒舌じゃね?」


「僕、嘘はつけない性格だから!」


「今さりげなく俺のことけなしたよな!?」



真浩のこの……なんつーの、神対応?


会話の切り返しの上手さには感心する。


あれでいて本人は『嘘をついていない』から恐ろしい。


全く悪意のない、鬼畜系ドSだよな。


...いや、もしかしたら少しは悪意があるかもしれない。



「つーことでさ。
お前ら2人、ほぼ強制で幹部になってもらう」


「はぁ!?強制なのかよ!」


「ここまで諒真を手なずけられる奴はそうそういないからな。手放すのが惜しい」



完全にお前らの都合じゃねーか。


2人をここまで悩ませるこのアホもどうかと思うが。



「...どうする、真浩」


「んー、僕は前から諒真さんとの付き合いがあるし、慣れてるから別にいいけど。
でも歩がやらないなら僕もやらない!」


「……お前、話聞いてたか?俺らに断る権利なんか無いって言われたんだぞ、さっき」


「じゃあやるしかないね!
でも僕の予想では、歩は3日でノイローゼになって辞める気がする!」


「そんな気しかしねぇよ...。
ったく、扱いはあのバイクより面倒そうだな」


「ちょ、お前ら俺を何だと思ってんだ!?」


「「 ただのアホなトラブルメーカー 」」



本当、コイツはトラブルしか起こさねぇ。


そのトラブルメーカーに真浩も加わって、俺の日常が良くも悪くも180度変えられた。


でもまぁ…...退屈はしなそうだな。

飽きたらテキトーに辞めればいい話だし。


仕方ねぇし、付き合ってやるとするか。



【睡蓮】との、新しい “ゲーム“ に。




「分かった。やってやるよ……、蓮央」


「よし。まず敬語っつーのを覚えろ、歩」



...くそ。


暴走族という縦社会に入った以上、立ち位置も歳も上のコイツらには生意気な口をきけないってワケか。


すげー気に食わねぇけど、仕方ない。



「……...分かりました。蓮央さん」


「敬語知ってんなら使えよ!
つーかお前って意外と素直なんだな」


「蓮央、歩はツンデレなんだよ〜!
ついでにいうと極度のマザコn……」


「黙んねーとその銀髪全部引き抜くぞ」


「いででで!!すいませんでした!!!」


「歩、敬語使え、そして髪はやめとけ!!」


「いいよ歩、全部抜いちゃえ〜!」


「「 煽るな真浩!!」」