後ろによろけ、数歩後ずさりして腹を押さえ呻く銀髪。
そんなのお構い無しに、真浩はさらにその頭を殴った。
「諒真さんバカじゃないの!?
バイクあんな改造して爆音出して、僕達死ぬかと思ったんだからね!!」
「わ、悪い……」
「し・か・も!!ヘルメットの趣味悪すぎ!!
何で全面ゴールドなワケ!?
その美的センスはぜーったいおかしいよ!
これを被った僕の身にもなってよね!!」
「ひ、ひでぇ〜...。
おい歩ぅ、助けてくれよ〜!」
目くじら立てて怒られ、銀髪は俺に泣きついてきた。
その頭を、次は俺が殴る番。
「いでっ!!?」
「ふざけんな、てめぇ。俺らを殺す気か?
馬力デカすぎんだよ。このバイク “じゃじゃ馬“ って呼ばれるくらいのバケモンだろ!」
「す、すまん…。
いつもは原付で来てるんだけどな……」
「じゃあそっちにしろよ!
無免許の中学生にあんなの跨がせんな!!」
※ 無免許運転は言うまでもなく犯罪です ※
右からも左からも責められ、取り付く島もない銀髪は狼狽するだけ。
その様子を、本条と南は可笑しそうに見ていた。