とにかく作戦だ、作戦。
頭を切り替えることにし、次はタブレットを取り出した。
さっきの倉庫のデータチップを読み込ませると、360度回転できる立体的なモデルが現れた。
それを拡大し、入口から少し離れたところを2人に示す。
「俺らが前回、たどり着けたのはここまで」
「え、これしか進まなかったっけ?」
「あぁ。...で、幹部室に繋がる階段はここ」
次に、奥の階段を示す。
さっきの場所からざっと50mはあるな。
「うぇ〜、こんな奥まで行くのかぁ」
「200人を2人でなぎ倒してな」
「前回は歩が倒れちゃったもんね、僕は全然平気だったけど」
「ゼィゼィ言ってた奴が何言ってんだ」
「それでも過呼吸でダウンするよりマシだもんね〜」
「言ってくれんじゃねーか」
次は絶対に過呼吸なんかにならねぇ。
なぜなら、こっちには作戦があるからだ。
「真浩」
「なーに?」
「明明後日、俺らは200人を倒さなきゃならない。単純計算で1人が100人相手だ。この条件で出来ると思うか?」
「うん、無理だね」
アッサリ言い切った真浩。
そう言うと思ってた。
ぶっちゃけ、俺も無理だと思う。
100人なんか相手にしてたらどんな奴だって死ぬだろうし。
「...で、だ。
俺は、本条が言ったことをずっと考えてた」
「……あの人なんか言ってたっけ?」
...マジかよ。
何で過呼吸で死にかけだった俺が覚えてて、お前が覚えてねーんだよ。
普通逆だろ。