『おーい、圭太〜?いるの?』



スピーカーから漏れた声に、俺の耳がピクリと反応した。


この声...女じゃねーか。


イラつきMAXの俺は、睨むようにして画面に目を移す。



......で、思わず目を見張った。




綺麗な金髪を上手くまとめ、ジーンズにパーカーというラフな格好で現れる女。


目は切れ長で大きく、パッと見ると外人のようだ。


その姿に……俺の目は、釘付けになった。


さっきまでの苛立ちを忘れるくらい、吸い込まれるように見つめた。


何だ、コイツ…

今まで見てきた女とまるで違う...


ドクン、と心臓がはねた。



『おぅ、零羅。久しぶりだな』


『こんちわ、蓮央。何してんの?』



「零羅……か」



気付けば無意識に名前を復唱していた。


すぐにハッとなったが、時既に遅し。



「あっれ〜?
歩、零羅のこと見つめてど〜したのぉ〜?」



俺の表情に気付いた銀髪が、ニヤニヤと笑いを浮かべながら身を乗り出してきた。


続いて真浩も「え?」という顔で俺を見る。


耳が熱くなるのを感じながらも、目をそらした。



「見てねぇよ、バッカじゃねーの?」


「うっそつけー!耳まで真っ赤だぞ!」


「...幻覚だろ。そんなことより、」



誤魔化すようにしてパソコンを閉じた。



「作戦を立てるぞ」


「え〜、僕もっと見たいんだけど、歩が一目惚れした女の人〜」


「ばっ……してねーよ!!」


「歩はツンデレだから信用ならな〜い」


「…しつけぇな」