『つか、諒真はどこ行ったんだよ、圭太』
『そういや昼から見てないな。
どうせまたどっかで女の子ナンパしてんだろ』
『有り得る……つーか、それしかねぇな』
『ははっ、だろ?』
うーわ。
『それしかない』とか断言されてんな、かわいそ。
隣では銀髪が唇を尖らせて拗ねている。
「ひでぇ言い草だな、2人とも。
俺は今日は真面目にしてるっつーのにさ」
「諒真さんの場合、 “今日は“ ね、“今日は“ 」
「日頃の行いが悪ぃんだよ、お前」
「だって女の子可愛いじゃん」
「は?女なんかどれも可愛くねーよ」
「お、出たなマザコン!
僕はママ以外は認めない!!……的な?」
銀髪野郎の余計な一言が、俺の地雷を踏んだ。
はは……
もう勘弁できねぇ。
俺にも我慢の限界っつーのがあんだよなぁ。
バキッボキッと指を鳴らしながら立ち上がった。
「いい度胸じゃねぇか……。おい、表出ろ。
その口、二度と聞けねぇようにしてやる」
「え''!?わわわわ、悪かった!!
謝るからもう二度と言わねぇから〜!!」
「聞こえねぇなぁ〜?」
自分でも黒いオーラが出ているのが分かるくらいにはイラついている。
1回ぶっ殺すくらいが丁度いいんだよな、コイツは。
……が、その苛立ちは、一瞬にして別の方向に向けられた。