「な、なんで...ハッキングなんか出来るの?」


「さぁ、知らね。
暇なとき適当にいじってたら出来るようになった」


「へ、へぇ〜...」



返事をしているものの、真浩の顔は引きつっている。


対して銀髪は、呆れたような感心したような変な顔をした。



「こえーな、生粋かつ才能ありまくりのパソコンヲタクって(小声)」


「ホントね(小声)」


「聞こえてるぞ、そこ」


「「 なんでもありませーん!! 」」



そうだ、こんな馬鹿みたいなことしてる場合じゃねぇ。


このカメラを通して把握しねぇとな。


四六時中見張るなんて面倒くせーから、録画にして...と。


ついでに音量は最大にしてみた。



『おい蓮央、もうすぐあの日じゃないのか?』


「うおっ!!?」



突然響いた低い声に銀髪が反応。


高音質の最新パソコンだから、まるで本条がここにいるみたいだ。


大金はたいて買ったかいがあったな。



『あの日?』



どこからかする総長の声。


画面には映ってねぇから、おそらく本条の向かい側に座ってるんだろう。



『忘れたのか?
言ってたろ、諒真の後輩との再テスト』


『あー...いつだっけ。明日か?』


『明明後日だよ、このバカ』



「ねぇ、歩」



真浩が何故か小声で話しかけてくる。



「これって、僕達のことかな?」


「……それしかないだろうな。
こんなアホの後輩って思われてんのが気に食わねーけど」


「それ分かる」


「超ヘコむよな」


「僕達にもプライドってものがあるのにね」


「お前ら小声で言ってるけどそれ全部聞こえてるぞ!?」


「「 うるさい 」」