俺がさらに指したのは、それの右から2番目。



「これの、ここで合ってるよな?」


「あ、あぁ...」


「じゃあ入り込むか」



今入り込めるかどうかは賭けだけど、な。


地図を消して、パソコンに専用のデータチップを入れる。


そこからはいつもの手順。

わずか30秒ほどで操作を終えた。


すると、いきなり画面が明るくなり、何かの映像が浮かび上がった。


ツイキャスを見ている時のように、画面の奥にはソファーに座る男が見える。


そいつを見て、銀髪が声を上げた。



「け、圭太……!?」



本条 圭太。

……そう、【睡蓮】の副総長だ。


あのとき倉庫にいたあの男が、今は画面の向こうにいる。


が、向こうはただ無言でこっちを見て何か操作をしている。



「ど、どうなってんだ...?
歩、お前一体何をしたんだよ……!」


「別に、簡単なことだ。
本条のパソコンの電波を拾って入り込み、監視アプリをダウンロードしたんだよ」


「はぁ!?そ、それってまさか……!」


「世間で言うハッキング」



平然と言うと、2人は目を見開いて俺を凝視した。


口をパクパクしているその姿が妙に笑える。