―放課後―
「歩!やっと帰ってきたわね!!
私のパソコン弁償しなさーーい!!」
家の玄関を開けた瞬間、怒声が飛んできた。
続いて鬼の形相で現れる、俺の母親。
いまだに今朝のパソコンのことを根に持っているらしい。
ったく、俺の背後には真浩と銀髪がいるってのにその話かよ…。
仕方ねぇな、とため息が出た。
「はいはい、俺の通帳から引いといて」
「……アンタの通帳?そんなのあったっけ?」
「俺が作ったんだよ。パソコン買えるくらいの金なら入ってる」
「つ、作ったって......どうやって...?」
「どうでもいいだろ、別に。
つか、俺の客来てんだけど家にあげていい?」
断られた事はないから、特に返事は待たずに上がりこませた。
放心状態で返事をする余裕もなさそうだしな。
「……って、コラ歩!!
何で勝手に通帳つくっちゃってんの!!」
「家に大金置くとあぶねーし、預けんのもめんどくせぇし。だから裏ルートで作った」
「…アンタいつか絶対捕まるよ...」
捕まんねーよ、と言い残して、自分の部屋に向かう。