コイツらと出逢えて、話せて、自分の中の黒いものが少し晴れた気がする。


もう前ほどの迷いと苦痛は感じない。


一度突き放したのに、こうやって全力で向かい合ったきてくれた2人に感謝だな、と改めて思う。



「……ありがとな。...真浩」


「うん!……...って、え!?名前だ!!
歩が僕の名前を呼んだーー!!!」


「何か変かよ?」


「ううん、すっごーーく嬉しいよ!!」


「...あそ」



予想以上に喜ばれたな...。


見かけを裏切らないガキっぽさだ。


とかなんとか思っていると、慌ただしく駆け寄ってくる銀髪。



「歩!!俺はっ!?俺の名前は!!?」


「あぁ?諒真だろ、知ってるつーの」


「じゃなくてな!!俺も呼べよっ!」


「やだね」


「はぁー!?なぁ頼むよ〜!!」



必死に頼み込む銀髪を見て、無性にイジメてやりたくなった。


...俺も案外Sっ気あんのかもな。


口角を上げながら銀髪から視線を外した。



「……お前はまだ呼ばねぇよ」


「じゃあいつになったら呼んでくれるんだ?」



…そうだな。


俺がお前の名前を呼ぶのは──...







「【睡蓮】に入ってからだな」