「......あぁ、大丈夫だ。
...お前らの言う通りかもな。俺は前に進まないといけねーのかもしれない」


「...うん」



榊は頷き、俺に向かって微笑む。


それにつられて、俺も自然と表情が柔らかくなる。



「……うぉいっ!!
何で2人だけで微笑み合ってんだよ!
俺は無視か!?」


「あぁ、うぜぇから」


「同感〜。諒真さんって雰囲気ぶち壊すスペシャリストだよね」


「き...傷付くぞ、それは」


「そんなのいつものことじゃん、大丈夫。
あ!歩〜、待ってよ!!」



言い争う2人に呆れて背を向け歩き出すと、榊が後ろから走ってくる。


そしてそれに続いて、銀髪も。



「おい待てよ〜、置いてくなって!」


「ねぇ、今更だけど、諒真さん無断で学校入ったんだよね?」


「おう、当たり前だろ!」


「自慢げに言ってるけどそれ犯罪だよ?
その髪の色目立つし、今ごろ教頭達が校内走り回ってるんじゃない?」


「げっ!?じゃあ俺出れねーじゃん!!」


「あはは、ご愁傷さま〜」



うわ……榊、何気悪魔だな。

すっげー黒い笑みだったぞ、今の。


俺にドMとか言っておきながら、お前実はドSなんじゃねーの...?