なぁ、泉里。


お前がもしここにいたら、何て言う?


優しいお前はきっと、「俺のことなんか気にすんなよ」って言うだろうな。


もしかしたら、「俺の事忘れんなよ?」って言うかもしれないな。


あぁ、俺はお前を忘れねーよ。


でも...

少しだけ、コイツらに賭けてみたいって思うのは許して欲しい。


俺があの日...お前と出会った日。


お前と生きることを決めたのと同じ。


つまんねー毎日を少しは彩ってくれんのかなって、賭けてみたい。



まぁ、まだ仲間になれはしないだろうけど。



自分の中に残る、後悔と自責の念。


この2人といれば、それをいつか…払拭できると思う。


そのときが本当の『仲間』になれる日なんだろうな……。



「歩」



ふっと顔を上げた俺の目に、茶色い髪が映る。


それが──… あの日のアイツと重なった。



『歩!!』



大声で俺を呼んで、助けに来てくれた。


泉里…

出来るなら...もう一度、会えるなら。



俺はお前に───...







「歩...?大丈夫?」



その声で目の前にいるのが榊だと気付き、ハッとなった。


違う...

榊は泉里じゃねぇ。


ただ、髪の色が同じってだけだよな...。