「死ね」
「いや待てひどくね!?
俺はただ『悩殺もんだな』って言っただけだろーが!」
「気色悪ぃ...」
「僕も若干引いた……」
「オイ真浩まで!?」
この雰囲気でふざけたこと言いやがって、コイツの思考回路はどうなってんだ。
笑んなきゃ良かったな...。
「まぁ、それは冗談としてだな。
歩がちゃんと笑ってくれて安心したぞ!
それでこそ俺らの仲間だ〜!!」
「いや、仲間になるつもりはねぇよ……」
「おぅ、そうかそうか……って、は!?
何言ってんだ!?この流れは仲間になるパターンだろ!!」
「知らねぇし...」
「何でだよっ!?」
全く…話ちゃんと聞いてたのか?
何度言わせんだよ。
つくづく、こいつバカだなと思う。
「だから、仲間っていう存在は俺を弱くするだけだ。どうせ俺は誰も守れねぇし、それなら最初からいないほうがいいだろ」
「は?
俺ら、歩に守ってもらおうだなんてこれっぽっちも思ってねーよ?
あ、もしかして守ってくれるつもりだった感じか??」
「……泉里のときは、そう思ってた」
「そうか。でも俺らは……つーか俺は、逆に歩を守ってやりてーんだけど」
──二度と歩が、辛い思いをしねーようにな。
言いながら、銀髪は爽やかに笑う。
『守ってやりたい』だなんて言われたのは初めてで、正直戸惑った。
「今までずっと1人で戦ってきたんだ。
お前はもう充分すぎるくらい、苦しんだろ」
「...……」
「そろそろ守られる側にまわってもいいんじゃねーの?」
俺は…
いいのか?
自分の罪は、償えたのか……?
「そうだよ歩。あまり気負わないで、僕達に甘えてよ。1人じゃないんだからさ!」
「真浩の言う通りだぞ!」