何が……起こった?



俺はただひたすら瞬きを繰り返していた。


寝転がった状態だし、よく見えなかったこともあって理解出来ない。


誰1人として言葉を発さない中で、最初に反応したのは総長。




「……やべぇな」




一言言った後、その場にいた手下たちを見回して焦ったように指示した。



「お前ら、このことは他言無用だ!!
もし話した奴は地の果まで追いかけて地獄を見せてやるからな!
例え、サツが味方をしたとしてもだ!」


「は...はい!!」



条件反射か、大きな声で返事をしたそいつらは、逃げるように屋上から駆け出していった。



状況を掴めないのは、俺1人。


他言無用?

サツ?


何でそうなる……?



「おい。栗原とかいったか」



いつの間にか俺の目の前まできていた総長。


冷たい目で俺を見下ろしながら、すっかり短くなったタバコを放った。


そして靴で潰す。


しつこいくらいに、何度も。



「...下は、見ねぇほうがいいぞ」


「……は?」


「今回のは俺の誤算だ。悪ぃな」



謎の言葉を残して、そいつまで去っていく。


待て、と言っても、無視されて。


とうとう全員がその場から消えた。



……何が、どうなった?


泉里はどうなったんだ?