──ガッ!!
「っ、ぐあ゙っ...!!」
タイマンが始まって数分。
まさかこんな展開になるとは、思っちゃいなかった。
「おい、もう終わりか?
さっきまでの生意気な態度はどこ行ったよ」
蹴られた腹を押さえて倒れる俺を見下ろすのは、息切れ一つしていないアイツ。
【闇桜】の、総長...。
ありえねぇ。
俺が、こんな奴にやられたなんて...。
「て、テメェ……本当に中3、かよ...」
「正真正銘、15歳。留年も何もしてねぇよ」
それでこの強さなのか...?
くそ、どこの誰だよ。
【闇桜】を弱小とか言いやがったの。
全ッ然弱くねーし、むしろ強ぇわ。
そもそも蹴りが当たらねぇ...。
これ以上やっても無駄。
そう判断した俺は、あっさりと降参の意を示すことにした。
「分かったよ。俺が悪かった」
「うわ、降参早ぇ〜。まだやれんじゃね?」
「ふざけんな、殺す気か」
これでも結構死にそうなんだよ。
俺にもプライドはあるから、態度には出さねーけど。