「お前か?俺んとこのをひどくやったヤツ」
「まぁ...はい」
「見たとこ、中学生って感じだな。
何年?」
「2年...ですけど」
「へぇ、俺の1個下か」
……は?
1個下、って...
コイツまさか、中学生か!?
なのに高校生を従える総長なのかよ……。
信じられねぇな、中学生が頭だなんて。
...敬語使う必要なかったな。
「年下相手に本気になるつもりはねーけど、やらねーと示しがつかねぇからさ」
ボキボキと指を鳴らしながら、やる気満々の総長。
そんなにやりてぇなら...相手してやるか。
喧嘩に邪魔なものをすべて外して、壊れないように端に置く。
今日は動きづらい私服だけど...まぁ、なんとかなるだろ。
「俺とアンタ、一対一?」
「あぁ。
年下だし、タイマンでケリつけてやるよ」
「その気遣いを仇にするなよ」
...今思うと、余裕ぶっこいてた俺はバカだった。
相手が中学生で、弱小暴走族っていうので油断していたんだ。