歩くこと数十分。
見慣れない町並みになってきたところで、どこかの学校に着いた。
門には『市立○○中学校』とある。
中に入ってみると割と綺麗な校舎で、当然だが誰もいない。
シーンとしていて、俺達の靴音が響くだけ。
ちなみに土足。
まさか...
まさかとは、思うが。
「...まさか学校でやるんすか?」
「屋上で総長が待ってる。黙って歩け」
あぁなるほど、屋上か。
そこなら確かに人目につかねーし、逃げ場もないからやりやすいな。
……つーか、たった1回やられただけで総長出てくるのか。
ある意味すごい族だな。
「総長〜、連れてきました!」
屋上に着くと、前を歩く奴が奥に声をかけた。
呼ばれて振り向いたのは、フェンスに寄りかかってタバコを吸っているピンクの髪の男。
...うわ。
髪色、趣味悪ぃ...。
けど、顔立ちは整ってるな。
「おぅ、ご苦労さん。お前らはもう行っていいぞ」
タバコを落として足で踏みつけ、総長が歩いてくる。
背丈は俺と大して変わらないくらいだ。
コイツ...本当に高校生か?