「...何笑ってんだ、金髪野郎」
「あぁ?...ッ、ゔぁっ!!?」
仲間と大笑いしていた金髪めがけて、得意の回し蹴りを食らわす。
胸にヒットしたおかげか、数メートル後ろに吹っ飛んだ。
もう1発入れようかと思ったが、既に泡を吹いて気絶してやがる。
リーダー瞬殺。
「おぉ...さすが、歩。さっきのはわざとか。
...これは、俺も参加しないとだな」
感心したように言い、泉里もボキボキと指を鳴らし始めた。
いや、最初からお前が参加しろよ。
と心の中でツッコミつつ、俺も負けじと手首を回しながら残り4人の高校生に詰め寄った。
「う、嘘だろ...?
タケルを一撃でやっちまうなんて...」
「これで中2なのかよ!?」
最初の態度はどこへやら、徐々に後ずさりを始める4人。
しかし、俺達はそれを許さない。
「アンタたちの後輩がやられたの、そんなに悔しいんですか〜?
売られた喧嘩を買ったんですけどね〜」
にこやかに、そして狂気の笑みを浮かべて詰め寄る泉里。
目が笑っていない。
...いや、笑ってはいる、が。
喧嘩そのものに興奮した、獣の目だった。
「...覚悟してくださいね?
アンタらも、俺らに喧嘩売ったんだからさ」
「ッ、うわあぁぁっっ!!!」