さらに運の悪いことに、鞄の角がリーダーらしき奴の頭に直撃。
金髪のそいつは、忌々しげに俺を睨みつけた。
...はぁ?何で、俺?
よくよく見ると、泉里は自分の鞄を大事に持っていて。
投げられたのは俺の鞄のみ。
……つまり、やられた側からすると、俺がやったように見えるわけだ。
泉里が何をしたのか理解した俺は、すぐさま泉里に掴みかかった。
「ッ、てめぇ泉里!!
お前一体何してくれてんだよ!!」
「お、怒るなって!許してくれ!」
「ふっざけんな!!
俺が敵視されちまったじゃねぇか!!」
そう言い合っている間にも、怒り狂った高校生たちが俺達の方に...いや、まっすぐ俺に向かって歩いてくる。
何ッッで俺だけ!!
「ほ、ほら、何事も協力が大切だ!
これぞフレンドシップ!!すなわち友情!」
「...お前がやったことのどこに友情があるんだよ、泉里。後で覚えてろ。ぶっ殺すからな」
「……へーい」
とことんイラつく奴。
ひと睨みしたところで、高校生5人が俺の前に立ちはだかった。