...くだらねー奴ら。

反撃しない相手は弱いって決めつけて殴りつけて、何が楽しいんだか。


全員が全員、そうとは限らねぇのに。



「おーい、お前大丈夫ー?」



ぼんやりしていたら、頭上から声が降ってきた。


場にそぐわない明るい声。


目線だけを上に向けると、2階の窓から身を乗り出している奴がいた。


逆光で、顔はわからない。

見えるのは、茶色い髪だけ。


...何だ、アイツ。



「おーい」


「……」


「聞こえてますかー?意識ありますかー?」


「...うっせぇ」


「あ、良かった、難聴じゃなかった」



...俺を馬鹿にしてんのか?

ムカつく。


イラついていたのもあって、そいつを睨みつけて立ち上がる。



「あれ、立てんじゃん。
待ってろ、今からそっち行くから」



あいつ、馬鹿なのか?

俺が待つわけもないし、来る頃には俺はもうここにはいないのに。


面倒なことにならないうちにとっとと帰るか。