「この学校って、結構な不良が集まってくるでしょ?」


「あぁ…」



確かに、そうかもしれないな。


他の中学に比べればかなり荒れているだろうし。



「そんな不良たちの中にはさ、『俺が一番強い』とか思っちゃってるバカが何人かいるんだよね。で、この学校のトップを取ろうと暴れまくって。そんなバカを鎮めるのが、僕の役目なんだ」


「鎮める…」


「うん。あんまり調子乗られると、こっちが困るから。だから、暴れてる奴は僕が潰さなきゃならない」



そこで一旦区切った榊。


手すりにつけていた背中を離し、俺の目を真っ直ぐに見た。



「……僕さ、警告したよね?
『学校で暴れるのはやめた方がいい』って」



...そういえば、言われた気がしなくもない。


が、そこでビビって逃げ出す俺じゃねぇ。



「…俺を潰すってことか?」


「そうしないと、"怪物"として失格だからね」


「ハッ……くっだらねぇ」



思わず、乾いた笑いがこぼれる。