「じゃあ、今日は終わりだ。明日から3年間頑張っていこう。解散」
バラバラと人が立ち始め、教室が一気に賑やかになる。
「ねぇ愛内さん?だよね」
いきなり、前の子に話しかけられた
「うん」
「愛内さんって面白いよね」
「え?」
「うふふ。」
謎の美少女と言うべきかな。
「友達になろうよ。私ね、井伊美嘉(いいみか)美嘉って呼んで。」
「私、えっと、愛内色葉(あいうちいろは)よろしくね!!」
「よろしくねってことはいいってことかな?色葉って呼んでいい?」
「うん!!」
友達ができた!!
嬉しい!
嬉しくて泣きそう!
そう言えば...荒崎くんは...
横を向いたらまた目があった
やっぱり顔が整ってて綺麗。
身長も高くて
これがイケメンというやつなのかな。
イケメンは女子にあーやって囲まれるわけだ。
「荒崎くん。学級委員なんてさっすがぁ!」
「もう先生に頼られてるなんて!」
「愛内さんが羨ましいなぁ」
ある女子がそう言って私の方を睨むように見てきた。
怖いな...
やりたくてやることになったわけじゃないのに...
「あーいうの気にしなくていいよ」
美嘉が私を励ましてくれた。
美嘉っていい子だ。
荒崎くんの周りではきゃあきゃあ女子たちが騒いでいる。
「あのさ、どいてくんない?帰れない」
「ごめんねー!」
「クール!」
とまたきゃあきゃあ言いだす。
あっ!
謝らないといけないんだ。
「ちょっと待っててもらっていいかな」
「えっ、うん」
丁度教室を出て行った荒崎くんを追いかけた。
「あの!」
あれ?振り返ってくれない。
「あのーー!!!」
やっぱり怒ってるのかな
「あのーーー!!荒崎くん!!無視しないでーー!!」
荒崎くんがとまった!
こっちを振り返ってくれた!
「呼んでたの?」
「あの、えっと」
「てか、遠くない?」
確かに...
10メートル以上はある