「二人三脚に立候補なんてしたら呪われそうな目をしてたから、みんな尻込みしてただけ」
呪われそうな目って...この種目そんなに出たかったのか。
出来ることなら今からでも変わってあげたいよ。いや、ほんとに。
「というか、本当に城間さんは牧と付き合ってないの?」
「うん、誤解してる人は多いけど」
ヒロと付き合うなんてありえない。言うなれば、家族のような存在だ。
ヒロの信者には平凡顔な私と兄弟にするなって怒られそう。
「あれだけ一緒にいれば誤解もされるよ。牧がちゃんと話す女子って城間さんだけだし、城間さんも牧としか話さないし」
「私のは不可抗力だよっ!...私だって友達と喋ったり、遊んだりしたいんだけどなぁ。上手くいかないもんだね」
そう言うと、志賀くんはちょっとだけ目を見開いた。
「そうなの?私に近づくなオーラ、あんなに出してるのに?」
「なにそれ!?その逆だよ!私は友達がほしいのに!」
そんなオーラどこから出てたの!?
見えないオーラを払おうと腕を払うと、志賀くんが笑った。
くそう、、これだから友達の多い人は!寂しい孤独な私の気持ちなんて分からないんだっ!もう口きかない!
恨めしく睨んだ私にさらに笑顔を見せた志賀くんは言った。
「なら、俺と友達になる?」
「なります!」
私の意思は結構弱い。