「でも、志賀くんが引き受けてくれて助かったよ。あのままじゃ、先生と二人三脚する勢いだったから」
実は、私が立候補した二人三脚の相手を決めるのには苦労したのだ。
男子にはそんなに人気がないのか(ヒロは出たがったけどリレーがあるから先生に止められた)、立候補ゼロ。
お前やれよ...えぇ、なんで俺が。そういうお前がやれよ...なんていう雰囲気が漂い、ここまで嫌われてるとは私、本当に何かやらかしてるのでは?と思うほど。
そんな中、空気を読んで手を上げてくれたのが志賀くんだった。さすがクラス委員!
明るくてみんなから好印象の志賀くんは、ちょっとくせ毛のたれ目ワンコ可愛い系だ。
「貧乏クジ引いちゃうタイプ?なら、共感できるけど、私に共感されてもって話だよね」
「あれは、牧が...」
「ヒロ?」
ヒロが何かしたっけ?
首をひねると志賀くんは苦笑いした。