支度を終えた小泉くんが、立ち上がり「じゃあ」と、挨拶を残して教室を後にした。
どうしていつも、報われない恋ばっかりしてるんだろう……?
これまでの自分の恋愛遍歴を思い返して、溜息が出る。

「ね、行こう!」

にこにこと、相変わらずの笑顔の梓が、私の報われない恋の答え。


大好きな友達。
大好きな、彼。

なんだか、心の奥がちょっと苦い。


いつか、解放されるんだろうか?
そんな誰にも言えない想いを抱えて、教室を出た。