少し錆び付いている屋上への扉を開ける。

そこにはもう、佐藤くんが居て空を眺めているようだった。

声を掛けようかと思ったその時、ゆっくりと佐藤くんが振り返った。

「ごめん。待った?」

と言うと、ふるふると首を横に振り微笑んだ。

「いや…全然!こちらこそごめんね。呼んじゃって…」

にこにこと笑っていた顔を引き締め、話をきりだした。

「あのさ…橘さんの事が好きなんだ。」

はっきりと紡がれたその言葉に一瞬、時間が止まったような気がした。

「…付き合って下さい!」

夕日のせいかもしれないけど、佐藤くんの顔は真っ赤だった。

必死に想いを伝えてくれている。

だけど、私は………

「…っごめん…それは…出来ない。」